移動販売で行う飲食店は車を目立つようにディスプレイするとお客様が買うつもりがなくてもつい衝動的に買ってしまうものです。出店する側も、店舗を構えるよりも経費が抑えられて比較的自由度の高い商売になります。
この記事ではそんな車での移動販売の中でも人気が高いたこ焼き屋の開業について解説します。
車(キッチンカー)の移動販売でたこ焼き屋さんを開業するには?
車の移動販売でたこ焼き屋さんを開業する前に必ず考えてほしいのは、どのようなお客様をターゲットにするかということです。
それによりたこ焼きの味も、車のデザインや内装も全て左右されます。
自分の焼くたこ焼きの味でどのような層のお客様を喜ばせたいのかイメージが湧いたら、それを踏まえて移動販売のたこ焼き屋の開業準備について見ていきましょう。
車(キッチンカー)とは?
車(キッチンカー)とはたこ焼き屋として営業できるよう内装や外装に改造が施された車のことを言います。
具体的には出店する場所の保健所の営業許可が下りるレベルで衛生管理が可能な内装と、集客効果の高い外装を意識するのがよいでしょう。
車(キッチンカー)での開業に必要な資格や許可は?
たこ焼き屋の開業には保健所の営業許可が必要ですが、許可を得るためにはに「食品衛生責任者」の資格が必要です。(ただし、調理師免許を取得されている方は必要ありません)
食品衛生責任者の資格は、保健所主催の養成講習を受講すれば取得できます
1日で終わりますので、最寄りの保健所で申し込んでください。
営業したい地域が複数に渡る場合は営業許可をそれぞれの地域で取得しなければならないため、衛生基準も各地域ごとに違う基準をクリアする必要がありますので、詳細を各保健所で確認する必要があります。
車(キッチンカー)の改装について
車で改装が必要な部分とは、キッチン部分、外観、照明設備などです。
例えば内装なら運転席と厨房をはっきりと仕切り、棚やシンクを設置し、換気設備を整えて保健所が営業許可を出せるような改装をしなければなりません。
外装はターゲット顧客にとって親しみがわくようなデザインで集客効果を上げながら、実務を考えてセッティングのしやすさなども加味して改装するのがよいでしょう。
たこ焼き屋を車で開業する資金は?
たこ焼き屋を車で開業するための準備についてご理解いただけたところで、次は費用感について説明します。
車(キッチンカー)の価格は?
車は新車・中古車・レンタルの3つの方法で手に入れることができます。
それぞれの相場は新車200~500万円、中古車100~300万円、レンタルなら1日3万~10万円ほどです。
少し予算オーバーしそうだと感じた場合はキッチンカーでの開業で使える中小企業庁「ものづくり・商業・サービス生産性向上補助金」「地域創造的企業補助金」などの補助金活用を検討してみるのもよいでしょう。
「ものづくり・商業・サービス生産性向上補助金」のページ
http://portal.monodukuri-hojo.jp/
「地域創造的企業補助金」のページ
車(キッチンカー)の改装費用は?
軽トラの新車を自分で改装した場合の料金目安は150万円ほどと言われます。
専門業者に依頼する場合は改装範囲によって見積が異なるため、相場観を養うためにも複数の業者から見積を取り、比較検討することが大切です。
たこ焼きの原価は?
たこ焼き屋の原材料費・包装費を売上の35%と設定すると(食材費が高騰しているため高めに設定)、100万円の売上があった場合約35万円と予想されます。
ただしこの数値は試算のため、食材の価格などによって変化することを覚えておきましょう。
たこ焼きキッチンカーは「車内で安定して焼ける環境づくり」が重要
たこ焼きのキッチンカーを始める場合、車両やたこ焼き器を用意するだけでなく、限られた車内で効率よく調理・提供できる環境を整えることが大切です。
特に、たこ焼き器の大きさや配置、材料の置き場所、盛り付けや会計までの動線によって、提供スピードや作業のしやすさは大きく変わります。開業前には、実際の営業を想定して設備や作業手順を確認しておきましょう。
販売数から逆算してたこ焼き器・鉄板の大きさを決める
キッチンカーに設置するたこ焼き器は、「大きいものを選べばたくさん売れる」と単純に考えるのではなく、想定する販売数から逆算して選ぶことが大切です。
例えば、イベントやランチタイムを中心に営業する場合は、短時間に注文が集中することがあります。そのため、1回に何個焼けるのか、焼き上がるまで何分かかるのかを確認し、1時間あたりに提供できるおおよその数量を把握しておきましょう。
目安としては、
1回に焼ける個数 × 1時間に焼ける回数
で、調理できる数量を考えることができます。
ただし、実際には生地を流す、具材を入れる、たこ焼きを返す、盛り付けるといった時間も必要です。そのため、計算上の数量だけでなく、実際に連続して焼いたときにどれくらい提供できるかを確認することが重要です。
また、たこ焼き器を大きくすると、ガス設備や換気設備、材料を置くスペースにも影響します。限られた車内では、焼き台だけでスペースを使いすぎると、盛り付けや会計がしにくくなることもあります。
鉄板の材質によっても焼き上がりは異なります。鉄板と銅板では熱の伝わり方や温度調整の感覚が異なるため、実際に使用する道具に慣れておくことも大切です。
開業時には、販売目標と車内スペースの両方を考えながら、自分の営業スタイルに合ったたこ焼き器を選びましょう。
焼き台・材料・盛り付け場所を「作業する順番」で配置する
キッチンカーでは、店舗の厨房ほど広い作業スペースを確保できないため、設備や材料の配置が営業効率に大きく影響します。
車内を設計するときは、見た目だけでなく、実際にたこ焼きを作る順番に合わせて配置を考えることがポイントです。
例えば、
生地を準備する
↓
具材を入れる
↓
たこ焼きを焼く
↓
容器に盛り付ける
↓
ソースやトッピングをかける
↓
商品を渡す
という流れを、できるだけ少ない移動で行えるようにします。
特に一人で営業する場合は、焼いている途中で容器やソースを取りに何度も移動すると、たこ焼きの焼き加減を確認しにくくなります。
そのため、
- 生地や具材は焼き台の近くに置く
- 容器は片手で取りやすい場所に置く
- ソースや青のりなどは一か所にまとめる
- 商品を渡す場所と会計場所を近づける
など、実際の動きを想定した配置が重要です。
数秒程度の移動でも、注文が連続する時間帯には大きな時間のロスになります。
キッチンカーを購入・改装してから配置を考えるのではなく、開業前に実際の調理工程を書き出し、その流れに合わせて車内レイアウトを決めておくと営業しやすくなります。
開業前に「連続して焼く練習」をして品質と提供スピードを確認する
たこ焼きキッチンカーを開業する前には、一度きれいに焼けるかどうかだけでなく、何回も続けて焼いたときに同じ品質を保てるかを確認しておくことが重要です。
実際の営業では、注文が一件ずつ入るとは限りません。イベントや昼食時には、短時間に複数のお客様が並ぶこともあります。
そのため練習では、1回焼いて終わるのではなく、2回、3回と連続して焼いてみましょう。
確認したいポイントは次のとおりです。
| 確認項目 | チェックする内容 |
|---|---|
| 焼き上がり | 大きさや焼き色がそろっているか |
| 食感 | 外側と中の仕上がりが安定しているか |
| 火力 | 連続して焼いても調整できるか |
| 焼き時間 | 1回の調理に何分かかるか |
| 盛り付け | 容器に入れて仕上げるまでスムーズか |
| 提供時間 | 注文から商品を渡すまで何分かかるか |
さらに、できれば焼くだけではなく、注文を受けるところから会計、商品を渡すところまで一連の流れを練習しておくとよいでしょう。
実際に動いてみることで、「材料が取りにくい」「盛り付け場所が狭い」「焼いている間に会計ができない」といった問題にも気づきやすくなります。
たこ焼きはシンプルな料理に見えますが、商品として販売するには、毎回同じ味や食感に仕上げる技術が必要です。火力や返すタイミングを感覚だけに頼らず、繰り返し練習して自分なりの基準を身につけておくことが、開業後の安定した営業につながります。
たこ焼き屋を車で開業するメリット・デメリットは?
たこ焼き屋を車で開業するメリットを3つ、デメリットを1つご紹介します。
たこ焼き屋を車で開業するメリット
①原価と設備投資が少なくて済むため稼げる
なんといっても店舗と比較すると設備投資も抑えられます。メニューアイテムも少なく絞り込んで営業できるので使用する食材の種類が少なく、材料のコントロールができやすいのがメリットといえます。
②車から周囲を見て集客を確認しながら焼けるため食材ロスが少ない
店舗型の場合営業時間中はお客様を待つ営業になりますが、車ならばお客様と対面販売になるので、人通りを確認しながらいろいろな手をうつことができます。
このため客の出足に合わせてたこ焼きを焼くことができ、結果食材ロスを減らすことにつながります。
③一人でも開業できる
たこ焼き屋は準備もオペレーションもシンプルです、まずは人件費をかけずに自分の力だけで開業しようという方にはうってつけです。
たこ焼き屋を車で開業するデメリット
たこ焼き屋を車で開業することは、店舗を構えるより小資本で開業できるため、昨今参入店舗が多く、ライバルの多い業態となりつつあります。
そのため、長く続けるためには他店との「差別化」を意識した店作りやメニュー作り、宣伝方法を考える、立地の良い場所を探すことなどが必要になります。
まとめ
たこ焼き屋を車で開業するのは投下資本が低く、オペレーションも容易で、初めて飲食店に参入する方には最適なビジネスモデルであることがわかりました。
ただしライバルに勝ち10年間生き残る飲食店は1割と言われる今は、将来を見据えた長く続けられる店作りを学んでから開業する方がリスクを小さくできるでしょう。
専門の学校で他店との差別化や最新のマーケティングについて積極的に学び、ぜひお客様の心を満足させるお店を作っていってください。
移動販売(キッチンカー)でたこ焼き屋やお好み焼き屋の開業をお考えの方は若竹学園のコースガイドを参考になさってください。
たこ焼き総合コース





