飲食店の営業許可を保健所に申請したいけれど、保健所が具体的にどのような項目をチェックするのかよくわからない方も多いのではないでしょうか。
この記事では飲食店を開業する際保健所が検査する項目について詳しくお伝えします。
飲食店を開業する際に保健所が検査する項目は?
飲食店を開業するには共通基準(自動販売機以外の全ての業種に必要な施設基準)と特定基準(業種ごとに定められた基準)の2項目からなる施設基準を満たす必要があります。
また、保健所は各都道府県の管轄となり、地域によっては微妙に基準が違うことがあるので
施設基準の詳細については最寄りの保健所に確認するようにしましょう。
これを踏まえて飲食店を開業する際に保健所が検査する項目を7つご紹介します。
参考:厚生労働省 保健所管轄区域案内
2槽シンクが設置されているか
シンクは2槽以上設けることと飲食店営業の特定基準で定められているので注意しましょう。
従業員と客用の手洗いを別々に設置しているか
お客様用とは別に従業員専用の流水受槽式手洗い設備と、手指の消毒装置が必要と共通基準で定められています。
手洗器外径寸法の目安は36cm(幅)×28cm(奥行)以上で、蛇口は、足踏式、ハンドコック等がよいでしょう。
厨房と客席側の仕切りがあるか
厨房と客席は明確にわかれていなくてはならず、床の素材で区別する、仕切り用の扉が必要ということもあります。
食器棚に戸はついているか
共通基準で原材料、食品や器具類等を衛生的に保管するため、食器棚は戸のついたものとするよう定められているのです。
調理場の床は防水性があるか
床がタイル、コンクリートなどの耐水性材料で排水がよく清掃しやすい構造であること、内壁は床から1メートルまで耐水性で、清掃しやすい構造であることが共通基準で定められています。
給湯器は設置しているか
洗浄及び消毒のための給湯設備を設けることが飲食店営業の特定基準で決められているので注意しましょう。
厨房の壁は防火素材を使用しているか
厨房の壁は防火効果があり清掃しやすいステンレス製のものがよいでしょう。
汚れを発見しやすいよう明るい色とするのもおすすめです。
飲食店の保健所検査は「工事前の事前相談」が重要
飲食店を開業する際、保健所への相談は内装工事が終わってから行えばよいと思われがちですが、実際には工事を始める前の段階で相談しておくことが重要です。
厨房や手洗い設備、シンクなどが施設基準に適合していない場合、完成後に追加工事が必要になる可能性があります。余計な費用や開業日の延期を防ぐためにも、店舗の設計段階から管轄の保健所と確認しながら準備を進めましょう。
物件契約・内装工事の前に図面を持って保健所へ相談する
飲食店の営業許可を取得するためには、厨房設備や店舗の構造が自治体の定める施設基準を満たしている必要があります。
そのため、できれば物件を契約する前、遅くとも本格的な内装工事を始める前には、店舗の平面図や厨房設備の配置図を持って管轄の保健所へ相談しておくと安心です。
事前相談では、厨房と客席の区画、手洗い設備や洗浄設備の位置、給湯設備、冷蔵・冷凍設備、食品や調理器具の保管場所などを確認します。
特に注意したいのは、設計図上では十分なスペースがあるように見えても、実際に設備を設置すると作業スペースが狭くなったり、必要な設備を追加できなくなったりするケースです。
工事が完成してから施設基準を満たしていないことが判明すると、設備の移動や配管のやり直しなどが必要になる場合があります。
開業スケジュールと工事費用への影響を抑えるためにも、設計段階で一度保健所に確認しておくことが大切です。
提供するメニューから必要な厨房設備を逆算する
飲食店の厨房設備は、店舗の広さだけで決めるのではなく、「何を提供し、どのような工程で調理するのか」から逆算して考える必要があります。
例えば、同じ飲食店でも、仕入れた食品を加熱して提供する店舗と、生の食材を下処理して複数の料理を作る店舗では、必要となる作業スペースや設備が異なります。
まずは、
食材を受け入れる → 保管する → 下処理する → 加熱・調理する → 盛り付ける → 提供する → 使用した器具を洗浄する
という一連の流れを整理してみましょう。
この流れをもとに、冷蔵・冷凍設備、洗浄設備、作業台、加熱設備、収納設備などを配置すると、衛生面と作業効率の両方を考えた厨房をつくりやすくなります。
また、生の食材を扱う場所と完成した料理を扱う場所が交差すると、食中毒につながる交差汚染のリスクも高まります。
営業許可を取得するためだけではなく、開業後に安全かつ効率よく調理できる厨房にするためにも、メニューと調理工程を先に決めてから設備を考えることが重要です。
中古物件・居抜き物件でもそのまま営業できるとは限らない
飲食店の開業費用を抑える方法として、厨房設備が残っている居抜き物件を利用するケースがあります。
しかし、以前の店舗が飲食店として営業していたからといって、新しい営業者がそのまま営業許可を取得できるとは限りません。
前の店舗と新しく開業する店舗では、提供するメニューや調理工程、必要となる設備が異なることがあるためです。また、長期間使用されていなかった物件では、設備の劣化や給排水設備の不具合などが発生している可能性もあります。
居抜き物件を検討する際には、既存設備が残っているかどうかだけで判断せず、
「自分が予定している営業内容でも施設基準を満たせるか」
という視点で確認する必要があります。
物件契約後に大規模な改修が必要になると、居抜き物件を選んだメリットが小さくなることもあります。契約前に店舗図面や予定しているメニューを整理し、管轄の保健所へ相談しておくと安心です。
まとめ
飲食店を開業するために保健所が検査する項目はどれも飲食店が安全で衛生的な環境で営業するために必要なチェック項目であることがわかりました。
お客様に料理を美味しいと思ってもらうのは素晴らしいことですが、それ以上に安全・安心な食事を提供するのは大切なことです。
ぜひこの記事も参考にし、スムーズに営業許可をもらえるように準備してみてください。




